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アジア全域の港湾混雑 長期化か

ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル問題などのあおりを受け混乱が続いているコンテナ物流だが、ここにきてアジア地域への影響が深刻になってきています。

 

特に世界最大のトランシップ港であるシンガポール港、近隣のポートケラン港などではスケジュール遅延やコンテナ滞留が頻発し、シンガポールのチー・ホン・タット運輸省の国会答弁によると「コンテナ船のおよそ90%で遅延が発生している」とのことで、同港では稼働停止中のターミナルの再開や新システムの導入など対応を急いでいるが早期解決は見通せない状況のようです。

影響は他のハブ港にも及び、上海や寧波で滞船が発生し、釜山でも船混みが発生し始めているといます。


港湾混雑による沖待ちも大量となり、コンテナ情報提供会社・ライナリティカによると全世界の沖待ちコンテナ数は6月末時点で224万TEUに上るということです。
それだけのコンテナが滞留すれば必然コンテナ不足となります。

船会社は実入りのよい遠距離航路のフォローを優先させるため近距離中心の日本向け航路は大きな影響を受け、既に上海発日本海向け航路などで船腹不足によりブッキングが困難な状況が発生しています。

 

また輸送力の逼迫は運賃上昇を招き日本の輸入品価格にも大きな影響を及ぼすのは必至で、折からの円安と重なり日本経済全体にとっても不安要素となりそうです。


難しい状況が続きますが、お客様への影響を最小限に抑えるため弊社としても市場動向を注視し、適切な輸送路を選別、確保するべく全力を尽くしています。とはいえ限界があるのが実情で、当面の間は早め早めのブッキングで対応していくしかなさそうです。

お客様方々にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。